2025.02.18
2025年の新築住宅補助金「子育てグリーン住宅支援事業」とは?話題のGX志向型住宅についても解説!
新築・リフォーム・建て替えを検討する時にぜひ注目してほしいのが、国の補助金制度。毎年、制度の名称や補助金額は変わりながらも、快適で環境に優しい住まいづくりを支援する形で継続されています。
そして、2025年の最新補助金制度として満を持して登場したのが「子育てグリーン住宅支援事業」です。更に今回は、新たに「GX志向型住宅」という枠組みが加わり、省エネ性能の高い住宅への援助が手厚くなっています。
しかしながら、この補助金制度に関して「なんとなく聞いたことはあるけど、詳細は知らない」「初めて聞いたかも!」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「子育てグリーン住宅支援事業」の概要やGX志向型住宅などについて分かりやすく解説します。ぜひ最後までお読みいただき、賢く補助金を活用しておトクに理想のマイホームを実現しましょう!
目次
子育てグリーン住宅支援事業って何?
まずは「子育てグリーン住宅支援事業」とは何なのか、というところからお話ししていきます。
子育てグリーン住宅支援事業とは、ざっくり説明すると「2024年11月22日以降に”基礎工事より後工程の工事”に着手した新築住宅で活用することができる国の補助金制度」です(リフォームも対象ですが、本記事では省略します)。
交付申請の開始は3月下旬頃からの予定で、昨年の子育てエコホーム支援事業と同様、予約も可能です。基本的には子育て世帯や若者夫婦世帯が優遇される制度となっていますが、GX志向型住宅に対応した注文住宅の新築、もしくは新築分譲住宅の購入なら、全ての世帯が補助金交付の対象となります。
なお補助金は、①契約代金への充当か、②現金で支払われますが、原則として①の還元方法が採られます。
さて、そんな子育てグリーン住宅支援事業の要件を表にまとめてみたものがこちらです。
※建替え…本制度の場合、「住宅の新築に合わせ、建替え前に居住していた住宅など建築主(その親族を含む)が所有する住宅を除却する」ことを意味します
※「一次エネルギー消費量削減率(再生可能エネルギー含む)」は、多雪地域の北陸の場合、75%以上でクリア
長期優良住宅とZEH水準住宅は、18歳未満の子を有する子育て世帯もしくは、どちらかが39歳以下の若者夫婦世帯という条件があるため、注意が必要です。
新しく追加されたGX志向型住宅については、次の章で詳しく解説します。
そのほか、住宅性能以外にも以下の要件があります。
・床面積50㎡以上240㎡以下の住宅
・土砂災害特別警戒区域、災害危険区域等の住宅は対象外
新たに登場!GX志向型住宅とは?
冒頭から何回か登場している「GX志向型住宅」という単語ですが、正直あまり聞かない言葉ですよね?
GXというのは「グリーントランスフォーメーション」の略です。「グリーントランスフォーメーション」は、温室効果ガスの排出量削減を目的に、温室効果ガスを生み出す化石燃料から、クリーンな太陽光発電や風力発電などが中心の、産業構造へ転換する取り組みです(出典:日本経済新聞より)
要するに、脱炭素を目指した未来志向のお家のことを「GX志向型住宅」と呼びます。
高い断熱性能と高効率な省エネ機器を搭載して一次エネルギー消費量の大幅な削減を実現すべく、GX志向型住宅は従来の長期優良住宅やZEHすらも上回る性能が求められます。
GX志向型住宅としての要件を満たすには、いくつかの基準が設けられています。
①断熱等級6以上
断熱等級は、住宅の断熱性能を評価するための指標です。2025年2月時点で「1~7」の等級があり、最も高い等級は「7」です。
GX志向型住宅として認められるには、6以上の断熱等級が必須となります。
UA値で表すと、富山県と石川県では「UA値0.46以下」を目指さなければなりません。
②再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上
そもそも「一次エネルギー消費量」とは、建物で一年間に使用される各設備機器のエネルギー消費量を熱換算したものです。各設備機器というのは、冷暖房だけではなく、換気や給湯、照明なども含みます。
GX志向型住宅では、省エネ性能の高い設備を導入するために、この基準を設けてあります。
ちなみに「再生可能エネルギーを除いた」とは、「太陽光発電の削減分を計算には入れない」ということです。
③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率100%以上
③は、②の条件と太陽光発電の削減分を合わせて、一次エネルギー消費量の削減率を100%以上にする必要があるということです。
ただし、北陸地方は多雪地域に該当するため、削減率75%以上であれば条件をクリアできると思われます。
以上、3つの要件を達成すると、160万円の補助金がもらえます。
しかし、ここまで解説しておきながら恐縮ですが、実は北陸地方においてGX志向型住宅の条件を満たすのは、想像以上にハードルが高いのが現実です。
①の断熱等級6以上という条件は、性能を強みとしている会社であれば特別問題はありません。
けれど、一次エネルギー消費量に関しては意外と難しく、採用したい間取りや設備によってはGX志向型住宅として認定されない可能性も出てくるでしょう。
「補助金を満額ゲットしたい」「GX志向型住宅レベルの高性能なお家に住みたい」という方は、なるべく早い段階で各ハウスメーカーへその旨を伝え、きちんと相談してみるのがおすすめです。
ちょっと待って!気を付けたいポイント
おトクに新築を建てられる子育てグリーン住宅支援事業ですが、気を付けていただきたいポイントもあります。
それは、申請要件を満たしたからといって必ずしも補助金がもらえるわけではないということです。
当然ながら、国の補助金には予算があります。その予算を、今建てたいと思っている日本中のお施主様が狙うわけです。
となると、国の予算も無限ではないため、あなたが建てる頃には予算が底をついているかもしれません。
そのため、補助金がもらえることを前提に新築のご予算を考えないことが、お家づくりを円滑に進めるコツです!
ポイントはもう1点あります。
最高補助額である160万円を獲得するためには、一次エネルギー消費量関連の条件を達成すべく、高効率なエコキュートや全館空調などの高額設備の導入検討を余儀なくされます。
しかし、ここで注意したいのが、各住宅メーカーの標準設備との差額です。
補助金の要件を満たすために必要な省エネ設備を導入したものの、その費用負担が大きすぎると、結果的に補助金を受け取ることができても総コストが高くなる可能性があるのです。
そのため、長期優良住宅の補助金を狙った方が、トータルで見るとおトクになる場合も考えられます。
補助金に固執せず、あくまで総費用で判断することが肝要です。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
子育てグリーン住宅支援事業はまだ発表されて数か月なので、この記事を読むまでは概要が掴み切れていなかった方もいらっしゃったのではないでしょうか。
今回の補助金制度を上手く活用できれば、高性能で快適な住宅をおトクに建てるチャンスがあります。
しかし、国の補助金は補助額が大きい代わりに予算の関係で必ずしももらえるとは限りません。
また、性能を上げることでかかるコストと、それによってもらえる補助額をしっかり比較してみてください。もしかすると、補助金より差額が大きくなっていることもあるかもしれません。
お家づくりを進める際は、補助金の活用方法について丁寧に検討し、ご自身にとって本当にメリットのある選択が何かを考えてみましょう。
WRITER

高坂 侑吾
富山第二展示場 営業
今年で入社5年目になります。趣味は釣りです。暇さえあれば海にいます。スポーツ系の学部から畑違いの業種に飛び込んだので、日々勉強です。皆様が笑顔でお家づくりできるよう精一杯お手伝い致します。
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