2022.01.18
太陽光発電は導入すべき?メリットデメリットは?
再生可能エネルギーの代表的ともいえる「太陽光発電」。これからの住まいに導入するべきなのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。最近では小池知事が東京都の新築住宅において太陽光発電の義務付けを行う方針を打ち出したということもニュースで取り上げられていましたね。今回は近年より一層注目されている太陽光発電について見ていきたいと思います。
目次
- 太陽光発電普及の背景
- 太陽光発電のメリット・デメリット
- 最近電気代高くない?その原因は?
- 売電価格が下がったけど…元取れるの?
- 太陽光発電のメンテナンス
- まとめ
太陽光発電普及の背景
日本で太陽光発電が注目され始めたきっかけとしては、1973年に起こったオイルショックといわれています。当時燃料のほとんどを石油輸入に頼りきっていた日本は経済的に大打撃を受けました。そこから日本では再生可能エネルギーの普及も大切な課題であると認識されるようになります。
そして世界的に地球温暖化などの環境問題が叫ばれるようになり太陽光発電への関心が徐々に高まっていきます。その後太陽光発電の補助金制度や余剰電力買取制度など国をあげた普及施策、生産コストの低下によって一般住宅への普及はどんどん進んでいきました。特に近年では災害への備えという観点からも太陽光発電への注目は高まっています。
そんな中、国土交通省では2030年までに新築住宅の6割に太陽光パネルを設置するという数値目標を打ち出しました。今至るところで叫ばれている「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点からも、より一層普及が進んでいくと考えられます。
太陽光発電のメリット・デメリット
太陽光発電のメリット
・電気代の節約になる
太陽光発電を導入を検討される方の一番の理由はこちらではないでしょうか。発電中は電力会社から購入せずに電気を使えるので電気の節約になります。
・売電収入が得られる
発電し自宅で使い切らなかった余剰分は電力会社に買い取ってもらうことができます。設置する容量にもよりますが、購入する電気代と差し引きして電気代0円も夢ではありません。
・停電時にも安心
停電時にもシステムに破損がなければ非常用コンセントから電力を使うことができます。
・省エネ意識が高まる
月々の電力使用量や使用状況がモニターで見える化されるので、家族の中で省エネ意識が高まります。
太陽光発電のデメリット
・初期費用が増える
太陽光パネルの設置費用はかなり安くはなってきましたが、それでも設置によって初期費用は増えてしまいます。
・定期的なメンテナンスが必要
発電量の維持や安全性確保の観点から定期的なメンテナンスが必要になります。詳しくは後述します。
・設置に向かない家もある
屋根を片流れにして南側に向けることが一番効率が良くなります。向きや屋根の形によっては設置に向かないお家になってしまうことも。
・発電量が天候に左右される
天気が悪い時には発電量は少なくなってしまいます。特にパネルの上に雪が積もってしまうと発電ができなくなってしまいます。
最近電気代高くない?その原因は?
「最近電気代高くない?」と感じている方も少なからずいるのではないでしょうか?実際、経産省資源エネルギー庁(日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」)によると家庭用電気代は2010年の20.4円/kWhから2017年の23.7円/kWhへと約16%上昇しています。
電気代上昇の原因として挙げられるのは2つあります。
ひとつは、原子力発電所の稼働停止を補うために火力発電量が増加したことです。原子力発電の再稼働も当面難しいと思われるため、今後も原油価格の高騰に伴い電気代の上昇が予想されます。
そして、もうひとつ電気代上昇の原因となっているのが「再生可能エネルギー賦課金」の存在です。家庭に届く電気料金明細には「再エネ発電賦課金」といった名前でひっそりと加算されています。この再エネ賦課金に関して少し解説していこうと思います。
再エネ発電賦課金とは?
再エネ賦課金とは、再エネを促進する仕組みである固定価格買取制度(FIT制度)を維持するために、電気を使う国民から徴収しているお金です。つまり、太陽光発電の電気の買取は電力会社が負担しているわけではなく、全国民が支払っている電気代から賄われているのです。
太陽光発電システムを導入すると発電して余った電気を電力会社へ売電することができます。売電価格は固定価格買取制度により10年間は保証される事になっており、これにより世の中では太陽光発電をリスクの少ない投資として導入していこうという方が増えました。
この再エネ賦課金は2012年からスタートしましたが当初は太陽光発電もあまり普及していなかったため1kwあたり0.22円でした。しかし、その後、太陽光発電が一気に普及しはじめ、2021年は1kwあたり3.36円と9年間で15倍以上も値上がりしています。実際、私の家の先月の電気料金明細を確認してみると再エネ賦課金で2,899円も負担していました。2012年の再エネ賦課金で計算すると189円なので、再エネ賦課金の値上がりにより徐々に家計を圧迫してきているのが分かります。
環境省の「平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検討報告書」(2013)によると2030年まで再エネ賦課金は上昇し続け、2030年をピークに徐々に値下がりし2050年頃にやっと0円になると予測しています。しかし、実際のところこの報告書の予想よりも再エネ賦課金の値上げ幅は大きくなっていますので、今後再エネ賦課金による負担がより一層家計を苦しめてきそうです。
今後は電気代が値上がりしていくのは明らかなので、自宅で電気を発電し、電力会社から購入する電気量を減らすのが家計的にも有効だということが分かるかと思います。
売電価格が下がったけど…元取れるの?
いざ、太陽光発電を自宅でも導入しようと考えた時に、誰しも考えるのが「太陽光発電を導入する際の費用を実際どれくらいで元が取れるのか?」「太陽光発電を付けて損をするのが怖いな」ということだと思います。
先程も触れたように2012年に固定価格買取制度が始まったことで、高い売電価格を10年間保証してくれるようになりました。ですが、売電価格は毎年見直され、2012年は1kwあたり42円だったのですが、2022年は17円になる予定です。このように売電価格は毎年少しずつ値下がりしているので「今さら太陽光を付けても手遅れだし、元を取るのは難しいんじゃないの?」という意見をよく聞きます。
しかしこれに関しては、売電価格をどのように決めているのかを知っておくと納得できます。
固定価格買取制度で決められる売電価格は太陽光発電搭載にかかる平均価格を元に毎年決められているのです。そして大体10年程でもとが取れるように売電価格が設定されています。
つまり、2012年は売電単価42円でしたが太陽光発電搭載費も高額で大体4kw搭載するのに250万円程かかっていたのに対して、今は、売電価格は半額以下ですが、搭載費も4kwで100万円程とかなりお求めやすくなってきているので、売電価格が値下がりしても太陽光発電搭載費はしっかり元を取れるようになっているのです。
太陽光発電のメンテナンスは?
太陽光発電は機械ものであり、屋外で使用するものなので故障やメンテナンス等も気になるところではないでしょうか?
太陽光発電は主に発電パネルと電力を変換するパワーコンディショナーという機械で構成されています。これらの機械も10年前と比べると耐久性が高くなっており、昔は10年程でパワーコンディショナーが故障することがあるといわれていたのが最近では15~20年程は使用できるようになっているようです。パネル自体も同じく20年程は十分使用できるようになってきています。今では多くのメーカーが15年保証を付けておりますので、万が一の故障や台風被害や雪害にも対応してくれるので非常に安心です。
メンテナンス費用は故障しない限りは大きくかかることはなく、パワーコンディショナーの故障メンテナンスで数万円程度といわれています。
30年程経って太陽光発電の交換時期が来たらその時に再び太陽光パネルの載せ替えを検討する必要があります。将来的なメンテナンスのことを考えると屋根一体型の太陽光パネルよりも屋根置き型の太陽光パネルの方が故障時に交換がしやすいというメリットがあるので、太陽光発電を検討する際は将来のメンテナンス方法も考慮に入れると安心かと思います。
まとめ
今までの太陽光発電は投資的なイメージもあり、「損をするのが怖い」や「危ない橋はわたりたくない」などマイナスイメージもあったように思います。しかしこれからは太陽光発電のような再生可能エネルギーを積極的に取り入れていくことで、石油燃料や原子力発電に頼らない社会を目指すということが当たり前の考え方になっていくはずです。そして、今後蓄電池の普及によってまた新たな局面になっていくのではないかと思います。
実際に太陽光を設置した事例や電気代などもっと詳しく知りたい方は是非ご相談下さい!
WRITER
齊藤 佑介
富山第1展示場 営業
早いもので入社して14年ほど経ちました。今では家族も増え3人の子育てに日々奮闘中です。自身の子育て経験を活かして子育て世帯によりそった家づくりを目指しています。
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