2022.01.25
新築に不可欠なシロアリ対策、その重要ポイントは?
お家の耐久性や耐震性を大きく損ねてしまうシロアリ。古い家ばかりが被害にあうと思っていませんか?新築を検討されている方も他人事ではありません。その対策をいかに考えられるかが、お家の寿命を左右します。そこで今回はシロアリについて、その対策と種類、重要なポイントをご紹介していきます!
目次
- シロアリとは?
- シロアリ対策の種類
-木材に薬剤処理を施す
-木材に耐久性の高い樹種を使う - 見落としがちなだけど重要なポイントとは?
- まとめ
シロアリとは?
シロアリとは見た目がアリに似ているためシロアリと呼ばれていますが、実は分類学的にはゴキブリの仲間だという事をご存知でしたか?普段は人目に隠れているため見たこともないという方も多いかと思います。また、本当にいるの?とあまりイメージがわかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、実は身近な畑や庭の土の中に棲んでいることも多く、北海道など一部地域を除き日本全国どこにでも生息しています。
また、シロアリにもいくつか種類があるのはご存知でしょうか?世界中ではなんと2500種類以上のシロアリが確認されています。日本でも、20種類以上のシロアリが生息しています。ほとんどが森に住んでいるシロアリですが、そのうち住宅に影響するシロアリは以下の3種類といわれています。
ヤマトシロアリ
寒冷地を除き、ほぼ日本中にいる普通種。住宅のシロアリ被害の多くはこのシロアリによるもの。土の中・湿った木材の中など、多湿な場所を好み、被害は床下に多い。 建物下部に加害がある。加害速度は普通。
イエシロアリ
本州千葉以西の太平洋から瀬戸内海にかけての沿岸地域、四国、九州、沖縄にいるのが特徴。被害は建物全体におよび、極めて激しい被害を出す危険種。加害速度がとても速い。
アメリカカンザイシロアリ
アメリカ産の外来種。これまでに、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、広島、鹿児島ほかの各都府県の一部で発見された。乾燥した木材もエサにできる。輸入家具が移入の主な原因。
シロアリの対策
シロアリの対策はどうしていますか?とよくお客様からも質問をいただきます。建築基準法でも、地面から1mの構造耐力上主要な部分に対しシロアリの対策を講じることが定められています。メーカーによってはPRポイントにしているので一度は話を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。ここではその対策の種類や特徴についてご紹介します。対策の方法は大きく分けると下記の2種類があります。
①木材に薬剤処理を施す
②木材に耐久性の高い樹種を使う
①薬剤処理を施す
薬剤処理とは木材に薬剤を塗る、または染み込ませることによってシロアリから木材を守る方法です。使用する樹種は問わないので広く利用されています。薬剤処理で現在よく使われている方法としては、表面塗布と加圧注入があります。それぞれのメリット、デメリットを紹介します。
表面塗布
木材の表面に薬材を塗る手法。現場での薬品材塗布が基本。
≪メリット≫
・加圧注入に比べ安価にできる
・大きな機械などを必要としないので導入が楽
≪デメリット≫
・5年ほどしか効果がないため、塗り直しが必要
・強い薬剤を使うことが多く、人体の影響も懸念される
・現場作業になるので精度にムラが生じる
加圧注入
タンクの中に木材を入れ、高い圧力をかけながら薬剤を木材へ浸透させる手法。
≪メリット≫
・薬剤を染み込ませて定着させているので、効果が抜けにくい
・薬剤の塗り直しがいらない
・比較的安全な薬剤を使用しており人体の影響は少ない
≪デメリット≫
・大きなタンクなどの設備が必要
・処理後改めて木材を乾燥させる必要があり手間がかかる
・現場での木材加工の際、薬剤の浸透していない部分が露出してしまう危険性がある
②耐久性の高い樹種を使う
木材自体に耐久性の高い樹種を使うことも有効なシロアリ対策といえます。特によく使われるヒノキやヒバは特有のにおい成分によりシロアリなどの害虫を寄せ付けにくくする作用があります。天然の防虫剤ですね。
≪メリット≫
・薬剤処理をしていないため人体への影響がない
・木そのものの成分で予防しているので、再処理の必要がない
・持続性があり後々のコストがかかりにくい
≪デメリット≫
・芯材以外(辺材)は耐久性の高い樹種でも薬剤処理に頼らざるをえない
・樹種が限られるため費用が高くなりがち
・薬剤処理をしていないという不安感
見落としがちだけど重要なポイントとは?
木材のシロアリ対策について見てきましたが、大切な対策はそれだけではありません。ヒノキの構造材の家でもシロアリが出た!とか、加圧注入処理をしたのにシロアリ被害が!という話を聞いたことはないでしょうか?
それもそのはず、どんな柱を使っても条件が整えばシロアリの被害にあってしまうのです。
例えばヒノキの木が森にあって、腐って倒れたらそれはシロアリやいろんな生物に分解されていきますよね?全く乾燥させず水分や栄養たっぷりの状態であればどんな木材でも食べられてしまいます。
木材にどんな対策を施すか、が多く語られがちですが、そもそも「シロアリに食べられやすい環境にしない」ということが最大のシロアリ対策となります。ここではそのような環境にするために大切な要素をご紹介します。
・侵入経路を断つ
シロアリ被害のほとんどを占めるイエシロアリやヤマトシロアリは土の中や切り株の中から蟻道という土の道をつくりその中から侵入していきます。ですので、真下の地面からの侵入を断つベタ基礎が効果的です。加えて、家の周りに木材などを放置しておくとシロアリを呼び寄せてしまうので周りをきれいに保つことも大切です。また、被害自体は少ないですが、アメリカカンザイシロアリは飛来し2階や軒下から侵入するといわれていますので、外部に木材部分が露出しないように板金処理を行うなどの対策が必要です。
・湿気をためない構造にする
シロアリは暗くてジメジメした場所を好みます。逆にいえば、最大の弱点は乾燥していることです。被害の多い床下の乾燥状態を保つことが一番大きな対策となります。そのために有効なこととしては、土からの湿気と侵入経路を断つベタ基礎、風通しを良くする高い基礎や、空気のよどみを作らない全周基礎パッキンなどが挙げられます。また床下だけでなく、外壁の通気工法、壁内結露を起こさせない断熱方法なども湿気をためない構造体にするには有効です。
・点検できるようにしておく
床下点検口をつくり、基礎の立ち上がりの形状や高さなどに配慮し、床下をくまなく点検できるようなつくりにしておくことも有効です。湿気がたまっていないか、配管伝いに侵入していないかなどしっかりと確認できる状態にすることで、被害の予防につながります。
まとめ
以上、シロアリの対策についてお伝えしました。いろんな意見があるかと思いますが、〇〇をしているから絶対大丈夫!ということはないのではないかと思います。自然の生物が相手ですので、いかにその予防策を講じることができるのかということが大切なのではないでしょうか。
タカノホームでは住まう人の健康と耐久性の観点から1階の構造材全てにヒノキの無垢材を使っています。ですがそれが全てというわけではなく、シロアリの好む環境を作らない、いかに湿気をためない構造にするかということも重視したお家づくりをしています。
詳しいお話にご興味ありましたら、是非一度お近くの展示場へお問合せください!
WRITER
永山 翔意
野々市展示場 営業
入社7年。 家づくりは一生に一度の経験です。 皆様が後悔しないお家を建てられることを陰ながら切実に願っております。 最良のお家づくりができますように。
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