2022.03.29
大変じゃないの?無垢床のお掃除やメンテナンス
近年、住宅の床材として採用される方が増えてきている無垢床。木のあたたかみや質感、肌触りなどが人気ですが、お手入れが大変そうというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は無垢床の日々のお手入れ方法や、無垢床ならではのメンテナンスについて見ていきたいと思います。
目次
- え!種類があるの?塗装によって分かれる性質
- 日頃のお手入れ方法
- 定期的なメンテナンスは必要?
- 無垢床ならではのメンテナンス
- まとめ
え!種類があるの?塗装によって分かれる性質
一言に無垢床といっても、その表面の仕上げによって性質やお手入れ方法などが全く違ったものになってきます。ここでは代表的な仕上げと特徴についてご紹介します。
・ウレタン塗装(樹脂塗装)
表面に薄い膜を造ることで無垢床を保護する塗装です。表面に膜を張っているので、比較的水に強く、汚れがつきにくいといった特徴があります。ただし、木が本来持つ調湿性は損なわれてしまいます。表面はツヤツヤと光沢があり、複合フローリングに近い質感、仕上がりになります。
・自然塗装(オイル塗装)
塗り込むことで木の内部に浸透し、無垢床を保護する塗装です。塗料が内部に浸透するため、木の肌触りや質感は木そのもので、木が持つ調湿性も損なわれません。しかし一方でウレタン塗装と比べると、表面に傷やシミがつきやすく水に弱いという難点があります。
・無塗装
文字通り何も塗装を施さず、自然のままの無垢床です。木のぬくもり、質感を一番感じることができます。木が持つ調湿作用なども損なわれませんが、塗装した床に比べると汚れや傷がつきやすいため、新築住宅では無塗装のまま床材に使われることは少ないです。
日頃のお手入れ方法
まずは日頃のお手入れについてですが、全ての仕上げに共通して
・掃除機でごみを吸い取る(お掃除ロボットもOK)
・ドライタイプのモップやフロアワイパーで拭き掃除をする
これで大丈夫です。普通のお掃除とあまり変わりませんよね。
ただここで注意が必要なのは、「水気に注意する」ということです。特に無塗装はシミになりやすいので、もし水分を床にこぼしてしまったらすぐにふき取るようにしてください。
たまに水拭きは絶対NG!といった記事も見かけますが、何かしらの塗装仕上げがしてあれば、そこまで神経質になることはありません。食べ物を落としてしまったり汚れが気になる部分は固く絞って水拭きをしましょう。
もちろん、水拭きやウエットタイプのフロアワイパーなどを使用し続けると、木が水分を吸収してしまい反りなどの変形を起こしやすくなるので部分的な使用をおススメします。
特に洗剤を使用するとオイル塗装や木自体の油分も分解してしまい、耐久力の低下に繋がりますので注意が必要です。ウレタン塗装であれば表面は比較的水分に強いのですが、フローリングの継ぎ目などから水分がしみこむことがありますので乾拭きが基本となります。
定期的なメンテナンスは必要?
・ウレタン塗装(樹脂塗装)
表面が塗料の膜で保護されているので特別なお手入れは必要ありませんが、一般的な複合フローリングと同じく年に一回程度ワックスがけをすると、より美しさを維持できるとされています。
・自然塗装(オイル塗装)
意外に思われるかもしれませんが、自然塗装の無垢床も基本的に特別なお手入れは必要ありません。ですが、こちらも年に一回程度オイルの再塗装をしてあげるとより美しく保つことができます。塗装の範囲は、生活動線上や水廻り周辺など気になる部分だけでも問題ありません。
もし定期的に水拭きもしたいとお考えの方には、無垢床専用の植物油洗剤もあります。目安として2~3週間に一回程度、モップや雑巾に染み込ませて固く絞り、拭きあげてください。液体の汚れやシミを綺麗に落としつつ、床材の表面をケア成分で保護することができます。
無垢床ならではのメンテナンス
どんなに気を付けていても飲み物をこぼしてしまったり、物を落としてしまったりということはありますよね。特に子育て中のご家庭では日常茶飯事なのではないでしょうか。そんな「ああ…やっちゃった」という時も無垢床であれば自分の手でメンテナンスをすることができます。
・傷のメンテナンス
まずは、テーブルから物を落としてしまった、子どもがおもちゃで床をへこませてしまったなどへこみ傷がついた際のメンテナンス方法を紹介します。
1.へこみ傷の上に水を少量かけて30分程放置し染み込ませる。
2.水を拭き取り、傷口に濡れタオルをおく。
3.濡れタオルの上から、熱したアイロンをあてる。
4.様子を見ながら1~3を繰り返す。
このように水分を与えてあげると木材がそれを吸収し、少し膨らんでくれます。それによってへこみ傷が目立ちにくくなるのです。対処は早ければ早いほどきれいに直りやすいので、気づいたときに試してみてください。
・強い汚れのメンテナンス
次に、飲み物をこぼしてしまった、子どもが落書きをしてしまったといった強い汚れがついてしまった場合です。ちょっとした汚れであれば先ほどお伝えした方法できれいにすることができますが、こぼしたことに気づかずシミになってしまった…ということもあるかと思います。そんな時のメンテナンス方法をご紹介します。
1.まずは乾拭き、もしくは固く絞った雑巾で水拭きをする。(黒ずみには消しゴムも効果的)
2.紙やすりで汚れが残った部分を削り取る。(紙やすりは120番~180番くらいが目安)
3.自然塗料を染み込ませたウェス(布切れ)で再塗装する。
↓実際にメンテンナンスをしてみた動画です。
再塗装をした部分は最初は目立つこともありますが、時間の経過とともになじんでいき、最終的にはどこがメンテナンスした箇所かわからなくなります。
ただ一点注意していただきたいのは、上記の方法は無塗装もしくは自然塗装にて仕上げをしている場合にできるメンテナンスということです。ウレタン塗装の場合は研磨や再塗装が素人では困難な場合があるため、専門業者にお願いする必要があります。
まとめ
以上、無垢床のメンテナンスについてお伝えしました。意外と難しくないなと思われませんでしたか?無垢床だからといって特別なお手入れが必要ということもありません。むしろ、強い汚れやへこみ傷についても自分の手で修復できるので、長い目でみるとメンテナンスが簡単ともいえるのではないでしょうか。
そして何より、多少の汚れや傷つきも馴染んで味になっていくところが無垢床の良さのひとつです。その良さを活かすためにも、無垢床を採用される場合は自然塗装の採用をおススメします。
タカノホームのショールームでは無垢床のお手入れ体験もできますので、気になる方は是非お声がけください!
WRITER
山際 幸士
金沢展示場 営業
今年で入社7年目になります。文系出身で入社してから日々住宅の勉強を続けていますが、知れば知るほど奥が深い業界でまだまだ学んでいかないといけないことも多いなと感じる日々です。
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