2022.05.10
おススメの屋根材や形って?種類や特徴、選ぶ際の注意点を紹介!
素材の種類や色、形によってお家のイメージを大きく左右する「屋根」。外観のデザイン性だけでなく雨風や紫外線から家を守ってくれるという大事な役割も持っています。屋根にはいろいろな素材の種類や形がありますので、自分のイメージや希望に合う屋根材や形はどれなのか、それぞれのメリット・デメリットをしっかりチェックしておきましょう。今回は種類や形の特徴だけでなく、選ぶ際の注意点も紹介したいと思います。
目次
- 代表的な屋根の形と特徴
- 主な屋根材の種類とメリット・デメリット
- 屋根選びの注意点は?
- まとめ
代表的な屋根の形と特徴
まずは、屋根の形について紹介していきます。屋根の形によってお家のイメージは大きく変わります。見た目の雰囲気だけでなく、それぞれの特徴もおさえておきましょう。
切妻(きりづま)
切妻とは家の真ん中から山型に二方向へ落ちる屋根のことです。最もポピュラーな屋根形状で、家の形を想像する時はこの切妻屋根を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。三角形の部分が見える妻側(つまがわ)を正面にすると洋風で可愛らしい雰囲気に、横に持ってくると和風や和モダンの雰囲気になりやすくなります。
≪特徴≫
・どんな雰囲気、デザインのお家にも合わせやすい
・小屋裏収納やロフト空間など屋根裏のスペースを活用できる
・昔からある屋根デザインで飽きがこない
・片流れや寄棟に比べ外壁の面積が大きくなりやすいので、外壁の費用が高くなる可能性がある
片流れ(かたながれ)
片流れとは一枚の屋根が一方向に傾斜している屋根のことをいいます。シンプルでスタイリッシュなデザインと相性が良く、ここ数年人気が高まっている屋根の形です。軒の出を短くして一見ボックスのような形にするデザインも見られます。
≪特徴≫
・シンプルなデザインになりやすい
・屋根と屋根のつなぎ目ができないので雨漏りのリスクが少ない
・太陽光発電のパネルを多く設置できる
・屋根の材質が瓦だと傾斜が急になりすぎるため、ほとんど金属屋根に限られる
寄棟(よせむね)
寄棟とは、四方向に向かって屋根の傾斜がある形です。どっしりとした高級感のある印象を与えます。こちらもポピュラーな屋根デザインですが、近年では採用率は比較的高くないようです。
≪特徴≫
・雨や雪を四方向へ均等に逃がしてくれるため、特定の場所に雨水がたまることを防いでくれる
・風の影響などにも強いため、どの方向から強い風が吹いても建物に負担がかかりにくい
・他の形状よりも高くなりにくいので高さの制限がある立地でも有利になる
・お家の形がコの字型などデコボコした形の場合は屋根のつなぎ目が多くできてしまうため、雨漏りのリスクが増えてしまう
入母屋(いりもや)
入母屋とは切妻と寄棟を組み合わせたような形です。純和風建築の日本家屋によく使用されています。一般住宅ではあまり見かけなくなりました。
≪特徴≫
・純和風のデザインになる
・雨風にも強くどの方向から風が吹いてもしっかりとお家を守れる
・施工が複雑な分手間暇がかかるため、初期費用・メンテナンス費が高くなる
・重量が重くなり地震に弱くなりやすい
主な屋根材の種類とメリット・デメリット
瓦
日本人が昔から使用している馴染み深い素材で、切妻や寄棟、入母屋などいろいろな屋根の形に合います。落ち着いた雰囲気の和瓦や、南欧風の外観に使われる洋風瓦などデザイン性にも富んでいます。
≪メリット≫
・和瓦や洋風瓦など、それぞれのお家のデザインに合わせて使い分けることができる
・断熱性や防音性が高い
・基本的に60年は手入れが必要ないくらい耐久性が高い
・傷がついた場合も周辺数枚分の交換で済むのでメンテナンスコストがかかりにくい
≪デメリット≫
・重量があるため構造躯体がしっかりしていないと地震の時などの揺れ幅が大きくなる
・勾配を緩やかにできないので片流れ屋根には不向き
・初期費用が高め
金属屋根(ガルバリウム)
片流れの屋根に多く使用されている素材です。最近では勾配の緩やかな切妻の屋根にも使われることが増えてきました。金属の中でも良く使われるのはガルバリウムの屋根材です。
≪メリット≫
・軽量なため、地震や台風の時など揺れ幅が少なく、お家の構造材に負担をかけにくい
・すっきりしたデザインになる
・瓦に比べて価格が安い
・金属の素材は経年劣化が起きにくく、メンテナンス性に優れる(塗装の塗り直しを推奨される商品もあります)
≪デメリット≫
・防音性が悪いので、雨音が響かないような施工(吸音材を下地に敷設するなど)が必要
・夏場は表面温度が70℃になるとも言われており、瓦に比べ熱を通しやすいので、しっかりとした断熱工事が必要
スレート屋根(コロニアル)
「スレート」とは本来は粘板岩のことです。屋根材で使われる化粧スレートはセメントに繊維素材を混ぜて薄い板状に加工したもので、一時期かなり広く使われていた屋根材です。やわらかい素材で、シンプルかつナチュラルなカントリー調に見えます。
≪メリット≫
・初期コストが安い
・軽いため揺れ幅が小さく、地震の時にも構造材かかる負担が小さい
・デザインがシンプル見える
≪デメリット≫
・素材が軽いため、強風に煽られて飛んでいってしまう可能性がある
・塗装メンテナンスが必要(おおよそ15年に一度)
屋根材比較まとめ
屋根選びの注意点は?
最後に、屋根の形や素材を検討する際に、あらかじめ考えておきたいことを見ていきましょう。
隣地と近い場合は注意が必要
隣地と近い場所に建築する際は、建築基準法で定められた高さ制限のため希望の屋根の形にできない場合があります。お家の配置計画も考慮に入れて選んでいきましょう。また、積雪地域は雪の配慮をして屋根の向きを決めないと、屋根雪が近隣の家に落ちるなどのトラブルになるケースがありますので、設計士と相談しながら進めていくことをおススメします。
屋根下地も大切
どの素材、どの形状にしたとしても屋根の下地施工には気をつけてください。どれだけ耐久性に優れた素材を使用しても、屋根の雨仕舞や通気層の有無で屋根材は早く劣化してしまう場合があります。建てられる住宅メーカーの屋根施工がどうなっているのかも確認しておきましょう。
太陽光パネルを設置するかどうか
太陽光パネルを設置するかどうかも大きなポイントです。太陽光パネルを設置する場合は、金属屋根の片流れがおススメです。理由は以下の3つです。
1.屋根に太陽光パネル分の重量がプラスされるため、屋根材自体は軽量な素材が適している。
2.発電効率を考えると、勾配を緩くして一日を通して太陽光が当たるようにすることが望ましい。
3.片流れはひとつの屋根が広くなりやすいので、たくさんのパネルをのせることができる。
まとめ
以上、今回は屋根についてお伝えしました。あまり単独でピックアップされることが少ないかもしれませんが、屋根はお家や家族を守る大切な構造材でありながら外観のイメージを決める要でもあります。
デザインや好みも大切ですが、屋根選びをする際は、どんな「形」にしたいか、どんな「素材」を使いたいか、それぞれの特徴を理解した上で考えてみてください。
WRITER
永山 翔意
野々市展示場 営業
入社7年。 家づくりは一生に一度の経験です。 皆様が後悔しないお家を建てられることを陰ながら切実に願っております。 最良のお家づくりができますように。
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