2022.06.21
回遊動線って本当に必要?メリット・デメリットを解説!
お家の間取りを考える際に重視したいことってなんでしょう。開放感のあるLDK、ワクワクするスキップフロアや半地下の書斎…。どれも気になるし、大切にしたい条件ですよね。しかし、これから長い人生を過ごしていく住まい。理想のお家は様々でも、多くの皆さんが重視したいのは、日々の使いやすさや利便性を考えた「動線」ではないでしょうか。今回はそんな動線の中でも最近人気の「回遊動線」に的を絞り、その特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます!
目次
- 回遊動線とは?
- こんなに便利!回遊動線のメリット
- 注意も必要…回遊動線のデメリット
- 回遊動線は目的ではなく手段!効果的に使うためのポイント
回遊動線とは?
「回遊動線」とは、玄関⇔キッチン⇔水回り⇔玄関…などといった、家の中をぐるりと周回できるような動線のことです。
昔の日本家屋でよく見られた、部屋を襖で仕切り必要に応じて出入りできるようなつくりや、外周を縁側でつないでおいて複数の場所からアクセスできるようにした間取りも回遊動線の1つにあたります。要するに、部屋ごとが壁で仕切られていない、通り抜けが出来るような間取りのことを指します。
こんなに便利!回遊動線のメリット
さて、そんな特徴を持った回遊動線。その人気の理由とは?メリットを確認していきましょう。
・生活動線をショートカットして負担を軽減
家の中でぐるぐると回遊することができるため、日常生活の中での動線をショートカットできます。例えば、キッチンから直接ランドリールーム、ファミリークローゼットなどの水回りを回遊できる間取りです。調理の途中で洗濯物を干すことができたり、干したものをすぐに片付けられたりと移動のストレスをなるべく減らして効率的な生活が送れます。
・動線の混雑が起きにくい
家族全員が使うトイレや洗面脱衣室、ファミリークローゼットなどは特に朝の忙しい時間帯などには混雑が起きやすい場所です。これらのスペースに複数の出入り口をつけておけば、一方の出入り口がふさがれていても、他の出入り口から行きたい場所に行けるので、支度がしやすく、快適に使うことができます。
・奥行きを感じる間取りになる
回遊動線の間取りにすることで、壁で仕切られた場所や行き止まりが減ります。奥のスペースが見えることで広がりや奥行き、開放感を感じることができます。また、回遊できるスペース同士で空間のつながりができるのでお子さんの気配や様子が感じられやすいというメリットもあります。
・子どもも大喜び
ぐるぐる回れる間取りは家の中を走り回るお子さんにも大人気です。追いかけっこをしたりかくれんぼをしたりとお家の中で自由に遊べます。やりすぎてケガをしないか見守らなければいけないというところは注意点といえるかもしれません。
注意も必要…回遊動線のデメリット
メリットを知ると、とっても便利そうな回遊動線。しかし、メリットだけではありません。うまく使わないとデメリットも発生します。
・床面積が大きくなりがち
回遊動線をつくるということは、「通路や廊下をつくる」ということです。
狭小の土地に建てる時やコストの関係で、床面積を抑えなければならない場合に無理に回遊動線をつくろうとすると、居室が狭くなってしまったり収納スペースが少なくなってしまいます。
特に多い例は最近人気のアイランドキッチン。おしゃれで家事がしやすいというメリットがありますが、その分通路を確保しないといけなくなるので、LDKの面積が大きくなってしまいます。
・逆に動線が長くなることも
各スペースを通り抜けできることが回遊動線の最大のメリットとも言えますが、その分、廊下が多くなり、時には目的の場所に行くまでに遠回りになってしまうこともあります。
・扉や開口が多くなる
部屋の行き来ができるということは、それだけ扉や開口(壁のない部分)が増えることになります。元々、壁で仕切っていた部分がなくなるので、間取りによってはその部分が構造的に弱くなる可能性があります。また、壁面が少なくなることで、通り抜けできるクローゼットなどは収納量が落ちてしまうということもあります。
・照明スイッチの計画が複雑に
2つの場所からアクセスできればどちらからも照明のオンオフがしたくなりますよね。このように出入り口が増えると、照明のスイッチの計画が複雑になってしまいます。場合によってはスイッチを設置できず、使い勝手が悪くなってしまうことも。
回遊動線は目的ではなく手段!効果的に使うためのポイント
回遊動線は使いやすい!という憧れだけで作ってしまうと、いつの間にか「回遊動線をつくること」が目的になり、建ってから後悔してしまうケースが多いです。回遊動線はあくまで手段として、よりよく使えるポイントをお伝えします!
・目指す総面積を設定して大きくなりすぎないように
お家の中に回遊動線がたくさんあると利便性も上がりますが、当然面積ばかり増えていきます。目指す総面積を設定して、絶対に譲れない箇所はどこなのか、取捨選択をしていきましょう。無理に回遊しなくてもちょっとした行き止まりなら使ううちに慣れていくということもあります。
・2つの役割をもたせよう
アイランドキッチンの横のスペースにリモコン類を集めたニッチをつくったり、家族のお知らせを貼るホワイトボードにするなど、ただの通路以外の役割も待たせると、より有効に使うことができます。
・家具の配置も考えよう
出入り口が多くなると、家具のおけるスペースが限られてしまいます。その結果、窮屈になってしまったり落ち着きのない部屋になってしまうこともあります。どこにどのような家具を置いて、どう使うかということも考えて回遊動線の採用を検討していきましょう。
また、アイランドキッチンにしなくても、ダイニングテーブルをくっつけず間をあけることで、ぐるっと回りこむ必要がなくなり動線を短くできるなど、家具配置によってできる工夫もあります。
・断熱・気密性も大切
回遊動線のお家で快適に過ごすには、実は断熱性・気密性がしっかりした住宅を選ぶことも重要です。いろんな空間が繋がっているということは、それだけ大きな空間を冷暖房しなければならないということです。高気密・高断熱のお家はお家全体で温度差が生じにくいので、回遊動線を採用する際にはおススメです。詳しくはこちらをご覧ください。
▶気密性について:お家の「気密性」は大丈夫?断熱と合わせて大切にしたい「気密」の話
▶断熱性について:説明の義務化がスタート!新築の前に知っておきたい「UA値」
まとめ
以上、回遊動線のメリット・デメリットについてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
最近はハウスメーカーのホームページだけでなく、Instagramなどでも回遊動線を含んだ様々な間取り実例が紹介されています。良いなと感じた間取りがあったら、是非検討してみてください。その際は、イメージの近いモデルハウスや完成物件などを訪れて、実際の部屋の広さや通路幅、各動線の距離感を体感されると良いですよ。
WRITER
田端 佑菜
営業企画室
入社5年目になります。最近絵付けにはまりました。ご家族皆さんが楽しく暮らせるお家づくりのお手伝いができますよう、努力して参ります!
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