2022.10.25
最近よく聞く「BELS」って?取得のメリットや注意点を解説!
昨年、政府によって2025年以降の住宅を含む新築建物に省エネ基準の適合が義務付けられるなど、脱炭素化社会に向けて、住宅の省エネ対策に大きな注目が集まってきています。では、自分たちのお家が省エネ基準に適合しているか、どのようにしてわかるのでしょうか?ZEH、BELSなど様々な言葉や評価制度がありますが、「細かい違いはよくわからない」「なんとなく高性能で快適なのかな…」と漠然と思っている方も多いはず。そこで今回は、省エネ性能評価基準として最近よく聞くようになった「BELS」について、その特徴や取得することのメリット、注意点などを解説していきます!
目次
- 省エネ性能表示制度「BELS」とは?
- ひと目でわかるBELSプレートの見方
- BELS取得のメリットや注意点は?
- まとめ
省エネ性能表示制度「BELS」とは?
BELSとは、「建築物省エネルギー性能表示制度」のことで、英名称のBuilding-Housing Energy-efficiency Labeling Systemの頭文字をとって「BELS(ベルス)」と読みます。
国が定めた基準で建物における省エネルギー性能を一次エネルギー消費量をもとに、第三者機関が客観的に評価し、認定する制度です。わかりやすくお伝えすると、お家の「燃費」を表したものです。住宅会社が独自で行っている省エネ評価と比べて、信頼性が高いという特徴があります。
BELSは、平成25年10月に「非住宅建築物」の省エネルギー性能の評価及び表示を、第三者機関が的確に実施することを目的として開始されました。その後、平成27年7月に「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が公布され、非住宅建築物だけでなく、住宅においても適応されることになります。省エネルギー性能に特化した評価・表示制度で、新築だけでなく既存建物にも適用可能です。建築物のエネルギー消費性能の見える化を通じて、住宅を購入する際の目安にしてもらい、日本の建物全体の省エネ性能を向上させることが目的とされています。
BELSを取得した建物には、「BELS評価書」が発行されます。また希望すれば、BELSプレートやシールも発行してもらえますよ。
ZEHとの違い
BELSもZEHもお家の省エネに関する言葉ですが、BELSは先述のように断熱性能とエネルギー消費量をもとに、住宅の省エネ性能を評価する制度です。ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、断熱性能を高め、高効率の機器や創エネシステムを導入することで、お家のエネルギー収支をゼロにした住宅、またはその基準のことを指します。ZEHについて詳しくはこちらをご覧ください。→ZEHってなんだろう?種類や補助金について紹介します!
現在ではBELSの評価書の中に、ZEHの基準(NearlyZEH、orientedも含む)を満たしているかが表示されるようになり、わかりやすくなりました。
ひと目でわかるBELSプレートの見方
では、BELSプレートにはどのような項目が記載されているのでしょうか?
①BEI値(省エネルギー性能指標)に応じた★マーク
BEI値とは、(設計一次エネルギー消費量)÷(基準一次エネルギー消費量)で求められ、省エネルギー性能の指標を表しています。「基準一次エネルギー消費量」は地域や建物用途、室使用条件などによって定められたものです。「設計一次エネルギー消費量」は、実際に建てる建物の大きさや使う設備などに応じて算出されます。
そのBEI値に基づき、省エネルギー性能をわかりやすく5段階で評価しています。
★1つ BEI 1.1 既存のみ
★★2つ BEI 1.0 省エネ基準(新築住宅基準の最低ライン)
★★★3つ BEI 0.9 誘導基準(省エネ性能向上促進基準)
★★★★4つ BEI 0.85
★★★★★5つ BEI 0.8
★の数が多いほど省エネなお家ということですね。この★の数を確認することで、住宅の専門家でない一般の方でも、お家の省エネ性が一目でわかるようになっています。
②基準一次エネルギー消費量に対する削減率
削減率が数字で表されるので、省エネ性を比較する際の目安にできます。注意が必要なのは、同じ地域内での比較にのみ利用できるという点です。基準一次エネルギーは地域等によっても変わるため、地域が違う場合は、この数字の大きさだけでは比較することはできません。例えば、同じ省エネ性の建物を建てても、北海道で建てるのと九州で建てるのでは、こちらに表示される削減率が変わってきます。
③基準一次エネルギー消費量、誘導基準一次エネルギー消費量、設計一次エネルギー消費量の関係を表示
視覚的に左に行くほど省エネ性が高いことを表しています。
④一次エネルギー消費量、および外皮性能の省エネ基準への適合可否表示
一次エネルギー消費量の基準と外皮性能の基準に適合しているかに加え、実際のUA値が表記されます。
一次エネルギーとは?
ここまで読まれて、そもそも一次エネルギーって何?と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。一次エネルギーとは、化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光などから得られるエネルギーのことを指します。そしてこれらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を二次エネルギーといいます。これを聞くと二次エネルギーの方が評価しやすいように感じますが、それぞれ単位がバラバラなので、一次エネルギーに変換し、同じ単位(MJ、GJ)で評価をすることにしているのです。
新築購入の際は、性能に興味のないお客様でも、★の数がいくつ取れている住宅会社なのかを一度聞いて、比較してみることが大切かもしれませんね。
BELS取得のメリットや注意点は?
BELS取得のメリット
・補助金が受けられる
BELSを取得することにより、ZEH支援事業の補助金を利用することができます。
また、各自治体によっては省エネ住宅に対して独自の補助金制度を設けている場合もあるため、うまく活用できれば、住宅取得資金を軽減できる場合があります。
・建築知識がなくてもわかりやすく、比較しやすい
BELS認定は★の数による表記で、お家の省エネ性能が一目瞭然です。また、国が定めた基準なので、判断基準が統一されていて、比較検討しやすい点も特徴です。
・建物の価値が上がる
BELS認定を取得することにより、省エネ性能が高い住宅という第三者機関の評価を受けることができるので、物件そのものの価値がアップします。自分のお家の価値が上がるのはうれしいですよね。
BELS取得の注意点
・初期費用が高くなりやすい
BELSで高評価を受ける建物にする場合は、それだけ高性能な住宅にしなければならないので、必然的に初期費用は高くなります。ただ、その分ランニングコストが抑えられるので、結果的にはコスト削減につながります。
・手続きが必要
BELSの評価を受けるためには、必要書類を揃えて申請の手続きが必要です。多くの場合建築会社が申請を代行しますが、その申請費用が発生する場合もありますので、事前に確認しましょう。また、ZEHの補助金を受ける際には、応募期間内に申請をしなければならず、工事期間も定められています。必ず補助金を受けられるわけではないので注意してください。
まとめ
以上、今回はBELSについてお伝えしました。BELSは省エネ性能(お家の燃費)がわかりやすく表示してあるものです。このように住宅を購入する際に省エネ性を考えていくことは、カーボンニュートラルを目指す社会の流れからすると、これからのスタンダードになっていくと思います。
タカノホームでは、BELS評価申請を標準採用。全てのお家で省エネ性を示した上でお引渡しをしています。もっと詳しく知りたいという方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい!
WRITER
永山 翔意
野々市展示場 営業
入社7年。 家づくりは一生に一度の経験です。 皆様が後悔しないお家を建てられることを陰ながら切実に願っております。 最良のお家づくりができますように。
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