2022.11.08
契約後は何をするの?業者決定からお引渡しまでの流れを解説!
皆さんは住宅会社を決定してからお引渡しまで、どれくらい時間がかかるかご存知でしょうか?契約してからどのようなことをするのか、どれだけ時間がかかるのかを把握しておくことは、住宅会社を決定する際に役立つと思います。そこで今回は、大事なことなのに意外と知らない、「住宅会社を決定してからお引渡しまで」のアレコレをご紹介していきます。
目次
- お家づくりの流れ
- 契約とは?
- 各種打合せ~図面決定
- 着工~建物完成
- 各種検査~お引渡し
- まとめ
お家づくりの基本的な流れ
一般的な木造住宅の場合、契約から様々な打合せを経て、お引渡しまでには10か月~1年程度の時間がかかります。土地探しや住宅会社選びにかかる時間も合わせると、お家づくりを検討し始めてから実際に引っ越しをするまで1年半~2年ほどかかる方が多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜそれだけの時間がかかるのか、その間にどんなことをしなければならないのかを具体的にお伝えしていきます。ただ、お施主様の状況や住宅会社ごとに打合せ時間や工期は千差万別です。今回は当社、タカノホームの流れをベースに、契約からお引渡しまでをご紹介していきます。
契約とは?
人生最大の買い物を決断するタイミングの契約。新築工事の契約は「建設工事請負契約」「住宅建築工事請負契約」など色々な名前で呼ばれていますが、詰まるところ民法632条の「請負契約」という種類の契約です。条文では「請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」と定められており、簡単に言うと「住宅メーカーはしっかり家を建てること、施主はその代金を払うこと」を定める契約です。
契約書には、主に以下の内容が記載されています。
・発注者(施主)氏名
・請負者(住宅メーカー)氏名
・工事の内容(新築、リフォームなど)
・請負代金の額や支払方法(契約金の有無、何度かに分けて支払うなど)
・工事期間やお引渡しの予定
また、契約書には、約款が添付されている場合がありますが、細かい字でぎっしりと書かれた約款を短時間で理解するのは大変です。事前にコピーをもらったり、工事中にトラブルが起きた際の対応を教えてもらったりしておくと、安心してお家づくりを進められますよ。
契約の際には、契約金や収入印紙(切手のようなもので契約書に貼る必要がある)、認印などが必要です。契約の際には、何をいつまでに用意するか、しっかりと確認をしましょう。
一生に一度のお家づくりをより良いものにするためには、納得していない点や不安点があれば必ず担当者に確認をしてくださいね。
各種打合せ~図面決定
プラン打合せ
お家づくりの醍醐味ともいえる間取りの打合せですが、間取り以外にも建築士と決める内容は多岐に渡ります。大まかに分類すると…
・建物配置
土地に対しての建物の位置を決めていきます。隣地の状況や日当たり、駐車スペースや庭など様々な点から検討していきます。細かい部分ですが、給湯器や屋根雪の落ちる位置なども考慮しましょう。
・間取り
プラン打合せといえばこれ!部屋の構成ですね。お施主様のご要望や動線の良さだけではなく、採光計算(部屋に入ってくる日光の量)や耐震性など法律の規制もクリアしなければいけません。間取りはすぐには決まりません。何回も積んで崩してを繰り返しながら作り上げていきます。
・建具
窓や室内のドアを総称して建具(たてぐ)と呼び、窓は外部建具、室内ドアは内部建具と呼び分けもしています。窓には「引き違い」や「すべり出し」、ドアには「引き戸」や「開き戸」など用途に応じて様々な形状があります。どこにどのような窓を配置するか検討します。
・屋根
切妻・寄棟・片流れなど様々な種類があります。屋根の形によっては、屋根材に制限があるので注意が必要です。同じ間取りでも、屋根のかけ方によって外観デザインはガラッと変わります。
・外観
間取りや屋根の形を決めた後に調整することも多い外観ですが、理想の外観がある場合には、間取りに大きな影響を与えるのでいち早く伝えた方が良い項目です。色や材質はインテリアコーディネーターと決める場合もあります。
・外構
カーポートや土間コンクリート、化粧砂利などを総称して外構といいます。とくにカーポートは、建蔽率や準防火地域など様々な規制を受けるので配置計画はプラン打合せ時に検討を行います。
住宅会社ごとに打合せ回数や打合せ期間に差があるので「じっくり打合せしたかったのに…」や「打合せを短期間に詰め込みたい」など、自分に合った打合せができるか、契約前に確認しておきましょう。また、設計士やインテリアコーディネーターとの打合せが基本ですが、中には営業が契約後の打合せにも同席してくれる住宅会社もあります。建築士、インテリアコーディネーター、営業、それぞれの立場からアドバイスをもらえるので、気になる人は、打合せに営業が同席してくれるか、聞いてみてはいかがでしょうか。
短い期間でたくさんのことを決めないといけないので悩んでしまうことも多いですが、打合せを効率良く進めるコツは、優先度をしっかりと決めて「絶対に叶えたいもの」と「可能なら叶えたいもの」を事前にランク付けしておくことです。
間取り、屋根の形、外壁など、項目ごとの違いや選び方のコツは、他の記事で紹介しているので、ぜひそちらも参考にしてくださいね。
インテリア打合せ
・設備機器
キッチンや洗面化粧台、お風呂、給湯器やエアコンなどメーカーごとにデザインや機能に特徴が違います。毎日使う部分ですので、こだわりたいポイントですよね。キッチンなどはそれぞれの設備メーカーさんのショールームを回って、どのメーカーさんのどの商品にしようかじっくりと検討することができます。
・内装
インテリアと聞いて一番にイメージする部分だと思います。床や壁紙、タイルの色・材質など選べる項目は多岐に渡ります。こだわりが詰め込める分、建築後に変える場合は大掛かりになりがちなので内装は比較的シンプルに仕上げて、家具や小物でブラッシュアップしていくのも良いですよ。
・照明
ダウンライト・シーリングライトなど照明器具から、間接照明などの作り込みが必要なものまで含みます。照明を変えるだけで、インテリアのイメージも大きく変わります。中には、ご自分で探してきた照明器具を持ち込むという方もいらっしゃいます。
・電気配線
照明のスイッチやコンセントの位置などを検討していきます。置きたい家具や想定している家電によって、高さや個数を自由に決めることができます。自由度が高い反面、悩ましい部分でもあります。実は生活のしやすさに直結するポイントなので、じっくり考えてみてください。
・カーテン
一口にカーテンといってもドレープカーテン(ふつうのカーテン)やロールスクリーン、ブラインドなど様々な種類があります。それぞれ使い勝手に特徴があるので、見た目だけではなく、使うシーンまで考えておくとより快適になります。カーテンは図面にも反映されないため、着工までに必ず決めなければならないものではありませんが、掘り込みにしてレールが隠れるようにするなど造作を伴う希望がある場合は、早めの検討がおススメです。
事前にイメージしていても、間取りや設備機器を選んでいるうちに、次々と内装のイメージが変わってしまうこともあります。一度迷い始めると収拾がつかなくなるので、使う色数を減らしたり、同系統の色で素材を変えたりするのが良いと思います。最近はInstagramでも、使っている部材のメーカーや品番を書き添えてある投稿が多いので、打合せ時にメーカーと品番を伝えると、よりイメージや色味の共有がしやすくなりますよ。
図面決定
どのタイミングでどこまで決めるかは、住宅会社によって大きく異なる点ですが、タカノホームでは、施工ミスの防止や建築資材の安定確保の観点から、着工前にほとんどの打合せを終えてしまいます。
打合せが終わって図面が確定したら、市町村などに「建築確認申請」を行い、建築の許可を得て着工します。ZEHで補助金を受ける場合や長期優良住宅の認定を受ける場合は、通常よりも申請に時間を要する場合があるので、ご注意ください。
着工準備~建物完成
住宅ローン本申し込み
着工前には着工金の支払いが求められますので、住宅ローンの申し込みが必要になります。借入金額や借入期間、ローンの商品などを決定し住宅ローンの本申し込みをします。個人の情報に加えて、確認申請図面やスケジュールなどが必要です。先実行や分割融資など、銀行によって多少流れが違います。
地鎮祭
地鎮祭は、工事が始まる前に神主さんを招き、その土地の神様に工事の安全祈願をする儀式です。酒、塩、米で土地の四隅を清め、神主さんが祝詞をあげるのが基本ですが、地域や神主さんによって、儀式の手順や準備しなければならないものが異なります。また、費用を抑えて略式で行うこともでき、やり方によって必要な準備と費用が変わります。地鎮祭自体を行うかどうかも自由なので、家族や住宅会社の担当者に相談してみてください。
着工
地鎮祭が終わったらいよいよ着工です。
・地盤改良工事
地盤調査の結果にもよりますが、地盤改良は多くの場合で必要です。「表層改良」や「柱状改良」、「小口径鋼管杭」など地盤の状況によっていくつかの種類があり、費用も異なります。
・基礎工事
地盤改良後に基礎工事を行います。型枠を組んだり二度に分けてコンクリートを打ったりいくつかの工程に分けて、丈夫な基礎を作ります。基礎の作り方やコンクリートの強度も耐久性に大きく影響を与えるので注意が必要なポイントです。
上棟(じょうとう)
大勢の大工さんや鳶さん(高い足場の上で作業をする職人)で作業を行い、お家の骨組みを一気に組み上げます。そもそも「上棟」とは、柱や梁・屋根といったお家の骨組みを組み上げる際に、「棟木(むなぎ)」を最後に組むことから上棟と呼ばれます。「上棟」以外にも「棟上げ(むねあげ)」や「建前(たてまえ)」と呼ぶこともあります。
・上棟式
上棟は地鎮祭と並んで、工事の一つの節目とされるタイミングです。着工から無事に工事が進んだこと、また、これからも問題なく工事が進むことを願って上棟式を行います。正式なものは、地鎮祭と同じように神主さんを呼びますが、最近では、大工の棟梁さんや現場監督が式を取り仕切ることが多いです。こちらも地鎮祭と同様に、行うかどうか、どの程度の規模で行うかは自由なので、家族や住宅メーカーの担当者に相談してみてください。
上棟後の工事
・大工工事
上棟後は、基本的に担当の大工さんが1人で丁寧にお家を作り上げます。筋交いや窓の取り付け、床張り、壁紙の下地となる石膏ボードの施工まで約3か月かけて作業を行います。もし現場の見学をされる機会があれば、飲み物などの差し入れを持って行くと喜ばれるかもしれません。
・電気工事
大工工事と並行して壁や天井の中に隠れてしまう配線の工事を行い、内装仕上げで壁紙を貼ってから、照明器具やスイッチの設置を行います。
・内装仕上げ
壁紙や塗装工事、左官タイル工事などを指します。壁紙を貼る前には下地材を塗るなど、きれいな見た目に仕上げるため、目には見えない細かな工夫が凝らされる工程です。
各種検査~お引渡し
お引渡し準備
・登記準備
大工工事が完了し、足場が外れると登記の準備をしていきます。まずは表題登記と呼ばれる、建物の大きさや所有者の登記を行います。住宅ローンを利用する場合には、抵当権(いわゆる借金の担保)設定を土地と建物に対して行いますが、表題登記を済ませておかないと抵当権設定ができないため、早めの準備が必要です。
・住宅ローン金消契約
住宅ローンの最後の手続きです。お金を貸し借りする契約(金銭消費貸借契約)を銀行と正式に結び、抵当権の設定も行われます。火災保険に加入することも条件となるので、工事中に検討しておくのがオススメです。
その他、引渡し日の目安がわかれば、それに合わせて引っ越し業者の手配、大型家電の搬入日、インターネット工事日の設定などを進めていきましょう。
竣工検査
住宅設備が正確に稼働するか、壁・床に傷や汚れがないかなど、プロの目でしっかりとチェックを行います。これとは別に「完了検査」という公的な検査も受け、建物とその敷地が「建築確認申請」通りに施工されているか、建築に関わる法律に違反していないかの確認も行われます。
施主検査
お客様の目でもチェックを行い、気になる部分がないかを確認していただきます。手直しが必要な場合には、引渡しの時までに補修を行い、最高の状態で引渡しができるよう努めています。
お引渡し
検査項目が全てクリアになり、銀行などの続きも完了すれば、鍵をお渡ししてお引渡しとなります。その後は、アフターメンテナンスも含めて、末永いお付き合いの始まりです。
まとめ
いかがでしたか?お家づくりの流れを知ることで、より良い住宅会社選びやお家づくりに生かしていただけたらと思います。タカノホームでは担当営業が、契約後の打合わせに同席したり、設計や工事監督との細かい連絡の橋渡しをしたりと、お客様に寄り添ったお家づくりをさせていただいています。性能や価格だけでなく、こういったソフト面まで目を向けてみてはいかがでしょうか。
WRITER
近藤 智哉
魚津展示場 営業
早くも入社9年目。趣味はカメラと車。 よりよいご提案ができるよう積極的に資格取得を目指しています!
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