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2023.07.04

省エネ住宅の基準「HEAT20」って何?ZEH基準との違いも解説

昨今の電気代高騰をうけて、住宅の断熱性能に注目する人が増えています。国としても断熱等級5、6、7の新設や、長期優良住宅の基準改正など省エネ住宅に力を入れていますね。その中で、「HEAT20(ヒート20)」という言葉にも注目が集まっているのですが、皆さんはご存知でしたか?この記事を読んでいる方の中には、ZEHとどう違うの?そもそもHEAT20って何?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、HEAT20について解説していきます。

HEAT20イメージ写真│タカノホーム

森や自然背景の家と引越し。自然と暮らし。

目次

  • HEAT20とは?
    -ZEHとの違い
    -UA値とは
  • 住宅に求められる断熱基準
  • HEAT20の断熱基準
  • HEAT20のメリット
  • まとめ

HEAT20とは?

HEAT20イメージ写真│タカノホーム
そもそもHEAT20とは、「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略称です。低環境負荷・安心安全・高品質な住宅の実 現のため、主として居住空間の温熱環境・エネルギー性能、建築耐久性の観点から、 外皮技術をはじめとする設計・技術に関する調査研究・技術開発と普及定着を図ることが目的とされています。元々2009年に発足し「20年先を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」と言う名前で活動していましたが、2020年に社団法人化しました。
HEAT20では、より快適に暮らすために断熱性能の基準値を定め、G1やG2などのランクで評価しています。その基準は、国で定められた最低基準よりもかなり厳しく設定されており、省エネ住宅の指標となっています。

ZEHとの違い

ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は国が定めた基準で、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」とされています。わかりやすく言うと、「断熱性能を高め、省エネな住宅設備を使い、家庭で使用するエネルギーよりも創り出すエネルギーのほうが多くなることを目指した住宅」のことです。
ZEHでは断熱性能だけでなく、太陽光などの創エネ設備や消費エネルギーを抑えた省エネな冷暖房設備の採用など複合的な基準があります。一方、HEAT20では目指すべき断熱性能(UA値※)のみを地域ごとで定めています。単純に断熱性能の比較をしたい際にはわかりやすい基準といえますね。

※UA値とは?

UA値とは、断熱性能を表す際の指標のことで、以下の計算式で求めることができます。
「UA値(外皮平均熱貫流率)=熱損失量(w/k)÷外皮面積(㎡)」
この値が低ければ低いほど熱が逃げにくいため、断熱性能が高いということになります。

 

住宅に求められる断熱基準

次は、日本でお家を建てる上での断熱性能の基準とはどのようなものか説明します。先日の「長期優良住宅とは?2022年10月の改正について解説!」という記事にも出てきたこちらの画像をご覧ください。

HEAT20断熱等級区分│タカノホーム

これは、日本を8つの地域に色分けしたもので、それぞれの地域に適した断熱性能の基準値を定めています。日本でお家を建てる際には、H28年に国土交通省が定めた次世代省エネルギー基準(断熱等級4)をクリアする必要があり、クリアしたお家は省エネ住宅と謳うことができます。
富山県や石川県は5地域・6地域に分類されているため、UA値の基準は0.87となりますが、これは九州と同じ基準値となっています。富山県・石川県のような豪雪地域と九州の断熱基準が同じなのは不思議ですよね。本当にそれでよいのでしょうか…?国で定めている基準はあくまでも最低限ですので、北陸で暖かいお家、光熱費を抑えるお家にするためにはさらに高い断熱性能が必要になってきます。

 

HEAT20の断熱基準

冒頭でもお話しした通り、HEAT20の断熱基準は日本で建築する上での最低基準だけでなく、近年注目されているZEH基準よりも厳しく設定されています。
HEAT20では3つのランクが設けられており、G1<G2<G3の順に断熱性能が高くなっていきます。G3になるとZEH基準の2倍以上の断熱性能が求められる非常に厳しい基準となります。

また、それぞれのランクで体感温度の基準を設けています。

G1…冬期間の最低体感温度が、1地域と2地域で概ね13℃を下回らない性能。
3地域〜7地域で概ね10℃を下回らない性能。

G2…冬期間の最低体感温度が、1地域と2地域で概ね15℃を下回らない性能。
3地域〜7地域で概ね13℃を下回らない性能。

G3…2019年に追加された新しい基準で、冬期間の最低体感温度がすべての地域で15℃を下回らない性能。

 

HEAT20のメリット

快適イメージ写真│タカノホーム

現在HEAT20の基準をクリアすることで補助金がもらえるなどの金銭的なメリットはありません。しかし、その基準をクリアできるほどの非常に高い断熱性能をもったお家には、様々なメリットがあります。

・電気代の節約になる
少しの冷暖房で室内を快適な温度に保つことができるので、電気代が大幅に安くなります。次世代省エネルギー基準(断熱等級4)と比べると、1年で10万円以上、40年で数百万円の節約も可能です。

・快適性を損なわずに自由な間取りを実現できる
ひと昔前は寒いにを我慢してでもお洒落な空間に…という考え方もありましたが、吹き抜けや伸びやかな大空間でも快適な室温に保つことができるので、間取りやデザインの幅も広がります。

・健康的な暮らしができる
家の中の温度差が少ないためヒートショックの防止にもなり、低温が引き起こす様々な健康被害を防止することができます。

・家の長寿命化に貢献
結露が発生しにくいお家になるので、カビの発生や木材の腐食を防ぐことができ、結果お家の長寿命化に貢献できます。

 

まとめ

いかがでしたか?今回は、HEAT20について解説させていただきました。最近は電気代の高騰により光熱費が家計の大きな負担となっている方が増えていると思いますので、これからは光熱費を抑えた住宅で暮らすことがポイントになってきます。
タカノホームでもHEAT20のG1,G2基準をクリアするお家を数多く施工させていただいております。現在G3対応モデルも開発中で、近日発表予定です。
お家のデザインや間取りももちろん大切なのですが、住んでからのことも考えてお家づくりをされてみてはいかがでしょうか。この記事を読んでくださった方が、後悔しないお家づくりをされることを願っております。

WRITER

スタッフ名が入ります。

高坂 侑吾

金沢展示場 営業

今年で入社3年目になります。趣味は釣りです。暇さえあれば海にいます。スポーツ系の学部から畑違いの業種に飛び込んだので、日々勉強です。皆様が笑顔でお家づくりできるよう精一杯お手伝い致します。

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