2021.11.02
知っていると絶対お得!「省令準耐火構造」の家って?
「省令準耐火構造」という言葉はご存じでしょうか?なんとなく言葉は聞いたことがあるという方も、具体的にどのようなものなのかとなるとそこまでご存じの方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は知っていると絶対お得な「省令準耐火構造」について、メリットや注意点、混同しやすい耐火構造などとの違いも交えご紹介していきます!
目次
- 「省令準耐火構造」って何?
-省令準耐火構造の対象
-省令準耐火構造の特徴
-「省令準耐火構造」と「準耐火構造」の違い - 省令準耐火構造のメリット・デメリット
- まとめ
「省令準耐火構造」って何?
「省令準耐火構造」とは、独立行政法人住宅金融支援機構が定めた、準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造のことです。まずここではざっくりと「住宅金融支援機構」が定めた、防火・耐火性能が高い構造のことだと認識ください。
省令準耐火構造の対象
省令準耐火構造は、住宅金融支援機構が定めた構造基準に合致しており、以下のいずれかに該当する工法で建てられた建物が対象となってきます。
・2×4(ツーバイフォー)工法(枠組壁工法)
・木質系プレハブ工法
・木造軸組工法
つまり、一般的な木造の建物に対しての、火災に強くできる工夫のことをさすのですね!
省令準耐火構造の特徴
火災が起きた際に、建物の被害を最小限に抑える防火・耐火性能を持つのが省令準耐火構造の特徴です。また、省令準耐火構造のさらに詳しい特徴は次のようになっています。
・外部からの延焼防止
隣家など外部から火をもらわないようにすることが必要です。そのために、外壁・軒裏を防火構造にしたり、屋根に不燃材料を使うことで防火性能を高い建物にします。
・各室防炎
火災が起きた部屋から、他の部屋へ火が広がりにくくなる構造になっています。さらに、内装の仕上げ材(クロスなど)の下に耐火性能の高いせっこうボードを使うことで、火災が発生した部屋から一定時間、火が出ることを防ぐことができるようになります。
・他室への延焼防止
火の通り道となる天井や壁に、気流止めとなるファイヤーストップ材(木材や断熱材など)を設置することで、お家全体に火が広がりにくくなるようにします。
「省令準耐火構造」と「準耐火構造」の違い
省令準耐火構造とよく似た言葉に「準耐火構造」「耐火構造」という言葉があります。どれも似ている言葉ですが、実は全くの別物なんです。
準耐火構造、耐火構造は「建築基準法」に定められていて、国土交通大臣から認定を受けた住宅をさしています。防火地域などで建築する際に必要な構造はこちらにあたります。
耐火構造…建物内で発生した火災により建物が崩壊、炎上、延焼することを防止する
準耐火構造…建物内で発生した火災による延焼を抑制する(一定時間耐えた後は崩れてもよい)
また、もうひとつ似ているものとして「防火構造」という言葉もあります。こちらは考え方が少し違い、周りの火災に対して燃え移ることを防ぐ構造のことで、主に外部に関しての取り決めがなされています。
以上をまとめると、「省令準耐火構造」とは、主に木造の建物を対象とした、住宅金融支援機構が定めた防火・耐火性能が高い構造のことです。ただし、建築基準法で定めているものではなく防火地域などに建てられる基準にはならないので注意が必要です。
省令準耐火構造のメリット・デメリット
では、省令準耐火構造にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
メリット
①火災に強い木造のお家に住める
何よりも防火・耐火性能の高いお家になる安心感が最大のメリットです。
・隣家で火災が起きても火をもらわずにすむ可能性が高い(もらい火のリスクを軽減できる)
・延焼する速度が遅くなるため、避難する時間を稼げる
・火が小さいうちに、消防が到着して、初期消火できる可能性が増すと大事なお家も家族の命も守ることができるお家に住むことができます。
②火災保険が安くなる
木造の建物は、一般的に鉄骨や鉄筋コンクリートの建物に比べて燃えやすいということから、火災保険が比較的高くなります。ですが、省令準耐火建物であれば、一般的な木造の建物よりも火災に強いため、火災保険が安くなる場合が多いのです。
ここで、火災保険料の分類の仕組みを見てみましょう。火災保険では、建物の耐火性能によって3つの種類に分類されています。「M構造(マンション)」、「T構造(耐火)」、「H構造(非耐火)」と分けられていて、鉄骨などの建物はT構造、木造の建物はH構造に分類されます。しかし、省令準耐火建物であれば、木造の建物であっても、「T構造(耐火)」として扱ってもらえるんです。
また、地震保険でも火災保険の分類に応じて「イ構造」と「ロ構造」に分けられているため、地震保険まで安くすることができるのです。さらに、地震保険では耐震等級による割引もあるので、ご興味のある方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
→「耐震等級」って何?地震に強い家づくりで知っておきたい事
実際に火災保険料がどれくらい違うのか見てみましょう。
保険会社や保険金額などによって違いはありますが、ここではその一例をご紹介します。
A社 保険金額 2500万円(10年一括払い)
一般的な木造住宅 : 261,280円
省令準耐火住宅 : 149,580円
B社 保険金額 2500万円(10年一括払い)
一般的な木造住宅 : 246,510円
省令準耐火住宅 : 111,870円
今回の例では、一般的な木造住宅と比較してほぼ半額という結果に!
最近では、自然災害も多くなってきたことから火災保険も値上がりしています。少しでも火災保険を節約したい方には、大きなメリットと言えますね。
デメリット
①一般的に価格が高くなる
省令準耐火建物にするためには、定められた様々な構造基準を満たす必要があります。ですので、特別な資材を使用したり、手間のかかる構造になっていることから、一般的なお家よりも価格が高くなってしまいます。しかし、長い目で見れば、割安となった火災保険によってもとが取れることもあるので、木造と省令準耐火のそれぞれで火災保険をシミュレーションしてから検討してみましょう!
②選択の自由度が下がる可能性がある
デザインや素材にこだわりがある!という方は注意が必要です。素材に対する取り決めもありますので、場合によってはやりたいことと省令準耐火の構造基準を両立させられない可能性もあります。ですので、興味のある方は、遠慮せずハウスメーカーにまず相談してみましょう。また、施工数の多い業者であれば、今までの経験の中から希望に沿った提案をしてくれる可能性が高くなるので、おススメです!
まとめ
以上、省令準耐火構造についてお伝えしました。大々的に宣伝されることも少ないので、そんなこと知らなかったよという方もいらっしゃるのではないでしょうか。少しの手間と素材選定の注意点はありますが、そんなに厳しい制限や高いコストもかけずに省令準耐火構造にすることができますので、メリット・デメリットを把握して是非検討してみてくださいね。
ちなみに、タカノホームのCREA仕様では追加金額なしで省令準耐火構造にすることができます!詳しく話を聞いてみたいという方はいつでもご相談に来てください。お待ちしております!
WRITER
島津 七海
高岡展示場 営業
入社4年目になりました!小学校2年生の頃から空手を続けています。大学では古生物学を専攻していたので、住宅のことについては日々勉強中です!
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