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2022.03.01

耐震・制震・免震の違いって?地震に強い家をつくるためには

日本は震度1以上の地震が月に100回以上も発生する地震大国です。災害レベルの大地震はいつ起こってもおかしくないといわれるほどで、住宅を購入する際に地震への備えは重要なポイントになりました。ですが、耐震性能にも限界があります。そんな中、耐震と合わせて注目されているのが「制震」という考え方です。今回は、地震に強い家をつくるために大切なポイントをご紹介していきます。安心家イメージ│タカノホーム

目次

  • 耐震・制震・免震の違いは?
  • 地震に強いお家をつくるには?
    -耐震だけで十分じゃないの?
    -繰り返しの地震にも強い「制震×耐震」
    -揺れ幅でわかる建物のダメージ
  • 制振装置の種類
  • まとめ

 

耐震・制震・免震の違いは?

お家の地震への対策としてよく耳にするのが「耐震」「制震」「免震」という言葉ではないでしょうか。まず初めにこの3つのそれぞれの違いを見ていきましょう。

・耐震
耐震とは地震の揺れに耐えることです。丈夫な壁などを使い家を頑丈にすることで、お家が倒壊するまでの時間を確保するという考え方です。地震の対策において一番よく耳にする言葉ではないでしょうか。現在、国によって定められている「耐震等級」という基準は、建物の地震対策の指標となるものなので覚えておいて損はないと思います。

・制震
制震とは建物の構造の中に制震装置を組み込み、地震によって起こる建物の揺れを吸収し抑制する技術です。もともとはビルや橋などの大きな建物のために使われていた技術ですが、住宅用の開発が進み、採用されることが増えてきました。制震装置の中にも、金属系、オイル系、ゴム系といろんな種類があります。

・免震
免震とは地震などによる地面の揺れを建物に伝えさせない技術です。建物の基礎部分に揺れを伝えさせないための免震装置を設置し、その上に建物を建てることによって地面が地震などによって揺れたとしても建物は揺れないという構造です。大型のビルなどにも採用されている技術ですが、一般住宅ではコストが高く採用率は低めです。また、基礎部分と建物は切り離しているような状態なので、台風などには弱いというデメリットもあります。耐震制震免震図│タカノホーム

地震に強い家をつくるには

耐震イメージ写真│タカノホーム

耐震だけで十分じゃないの?

国でも耐震等級という基準を定めているように、耐震だけしっかりしておけばいいんじゃないの?という考えの方もいらっしゃるかもしれません。確かに以前はそのような考え方もありましたが、それだけでは万全とはいえないという風潮に変わってきました。
そのきっかけのひとつは、2016年4月に起きた熊本地震です。熊本地震では日本でも例のない、震度7の地震が「二度も」発生するという事態に見舞われました。その結果、「震度6~7程度の大規模地震レベルの地震を受けても、建物が崩壊や倒壊しない」という条件の「新耐震基準」で建てられた建物にも、倒壊などの被害が多く発生してしまいました。一度の大規模地震では耐えることはできても、建物には深刻なダメージが蓄積されています。その状態の建物に、追い打ちをかけるように二度目の地震が発生したことで、多くの建物が倒壊などの深刻な被害を受けてしまったのです。そこで注目されるようになったのが揺れに耐えるのではなく、揺れを抑える「制震」という考え方です。

繰り返しの地震にも強い「制震×耐震」

熊本地震では震度7の揺れが2回に加え、震度5以上の揺れが22回、それ以下の揺れは3700回以上発生していました。いかに高耐震の建物でも、このような繰り返しの揺れを受けるとダメージを蓄積し、劣化してしまいます。だからこそ、繰り返しの揺れに対してお家を守る性能も必要なのです。
もちろん、制震装置だけあればいい、ということではありません。制震装置はあくまでも揺れを抑えて耐震性能を守るためのものですので、高耐震の建物に、その性能を永く守る制震装置を組み込むことで最大の効果を発揮します。地震に強いお家にされたいという方は、高耐震の構造と制震装置を組み合わせて採用されることをおススメします。

揺れ幅でわかる建物のダメージ

耐える力だけでは、大きな地震から一度は守れても二度は耐えられず守れないとお伝えしました。そんな地震の揺れですが、どのくらいの揺れ幅で家にダメージを与えるか知っていますか?
普段の生活時に揺れているなと感じる時、お家(1階の柱の柱頭約3mの位置で)は3mmくらいの揺れ幅になっています。身近なもので例えると、一円玉を2枚重ねた厚さが3mmになります。1㎝にも満たない幅で揺れは感じるようになるんですね。
では倒壊するといわれている地震はどのくらいの揺れ幅でしょうか。実は10㎝(100㎜)揺れただけで倒壊の恐れがあるといわれています。10㎝というとハガキの短辺がちょうど10㎝になります。お金で例えると1000万円の札束の厚さが10㎝です。1000万円の札束の厚さの揺れで倒壊してしまいますが、お家を建て直すには1000万円では足りませんよね。しっかりと地震の対策をすることで倒壊や家へのダメージを抑えることがとても大切です。

制震装置の種類は?

ダンパーイメージ写真│タカノホーム最後に、制震装置のおおまかな種類と特徴をご紹介します。

・金属系ダンパー
金属の頑丈さと、ある時点から急激に柔らかくなる柔軟性を活かした制震装置です。地震などで起こる揺れを金属が曲がることによって、そのエネルギーを熱に変えて揺れを抑える仕組みになっています。他の種類の制震装置と比較して構造や材料はシンプルなため安価なことが特徴になります。ですが、大きな揺れには効果を発揮しますが、小さな揺れなどには効果が発揮しづらいという特性もあります。また、繰り返しの変形によって劣化や損傷の影響は大きく受けるので注意が必要です。制震装置の中でもどちらかと言えば耐震性を重視している種類になります。

・オイル系ダンパー
制震装置の容器の中にオイルを充填して、中のオイルがクッション材となって揺れを抑える制震装置です。自動車の「ショックアブソーバー」と同様の構造になっています。微小な揺れから大きな揺れまで効果を発揮し、劣化や損傷にも強いので繰り返し使い続けることができます。ですが、他の種類と比較すると構造が複雑な分、価格が高くなってしまいます。地震への揺れだけでなく小さな揺れから対応できるので、「制振」装置と表記されることもあります。

・ゴム系ダンパー
ゴムやアクリル樹脂などの伸縮性のある材料を用いて揺れを吸収する制震装置です。伸びても縮むという特性を利用するのでオイル系ダンパーのように繰り返しの揺れにも有効なのが特徴ですが、気温によって硬くなったり柔らかくなったりと影響を受けやすいため劣化するのが早く注意が必要です。ちょっとした豆知識ですが、ゴム系ダンパーにはどの材料をどのくらい配合すればどういう効果を発揮するかといった論文がいくつも出るくらい、その効果についてはまだ完全にわかっていないそうです。発展途上の制震装置といえるかもしれません。

まとめ

以上、地震の対策について主に制震装置に着目してお伝えしました。何が正解というものはないかもしれませんが、地震大国の日本でお家を建てる以上、大地震に備えたお家づくりをされて損はないと思います。
タカノホームでは耐震等級3を叶えるTOPS工法に加え、制振装置evoltzの組み合わせもご提案しております。制振装置の体験ができるショールームもありますので、ご興味ある方は是非一度お越しください!

WRITER

スタッフ名が入ります。

須郷 隆治

富山第2展示場 営業

今年入社4年目になります。東京から富山に移住してきました。自然豊かでのんびり暮らせて楽しいです。家づくりについてまだまだ覚えることがあり、日々猛勉強中です。家づくりは知れば知るほど奥が深いです。

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